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2025年の新春公演に行ってきました。
毎回、華やかな公演が行われるので今年も楽しみにしていました。
大津市伝統芸能会館
新春公演
大津市園城寺町246-24
京阪電車石坂線「大津市役所前」駅から南へ約400m
開場13:30
開演14:00
入場料 前売り S席¥5,500 A席¥5,000(当日 各¥500増)
お話
14:00〜14:30
歌人 林 和清
賀茂氏
賀茂別雷神社(上賀茂神社)
主祭神 賀茂別雷大神(かもわけいかづちのおおかみ)
「山城国風土記」逸文に、賀茂建角身命の娘・玉依姫が石川の瀬見の小川(賀茂川)で遊んでいたところ、川上から丹塗りの矢が流れてきたので、持ち帰り寝床の近くに置いたところ懐妊し、賀茂別雷命を出産したそうです。
玉依姫命(たまよりひめのみこと)
丹塗りの矢
賀茂別雷命が成長し、宴席で祖父の賀茂建角身命が「お前のお父さんにもこの酒をあげなさい」と言ったところ、賀茂別雷命は屋根を突き抜け天に昇ったので、この子の父が神であるとわかったということです。
大山咋神(おおやまくいのかみ)
今回の解説では大山咋神が父神だというお話でした。
以前訪れた、松尾大社と日吉大社は大山咋神が御祭神でした。
日吉大社の東本宮とその上にある八王子山には巨石が祀られ、大山咋神と鴨玉依姫の荒御魂が祀られています。
火雷大神
京都府向日市の向日神社などに祀られている、火雷大神も父神と言われているそうです。
賀茂御祖神社・かもみおやじんじゃ(下鴨神社)
主祭神 賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)
別天津神(ことあまつかみ)・造化三神のうちの一柱の神魂命(かみむすびのみこと)の孫。
初代・神武天皇の東征の際、八咫烏に化身し先導したといわれます。
大和(奈良)の賀茂氏
賀茂氏発祥の地とされる、高鴨神社などのお話も興味深かったです。
八咫烏又は金鵄
古事記では八咫烏に化身し、神武天皇・神倭伊波礼毘古命(かむやまといわれびこのみこと)を道案内します。
日本書紀では金鵄(きんし)の発行する光に長髄彦軍の目がくらみ、神武軍が勝利しました。
秦氏
ギリシャの手前辺りから渡来したと伝えられているとのお話でした。
今回の物語でも、秦の氏女が川上から白羽の矢を持ち帰り、懐妊し、別雷の神を産んだという話になっていました。
能楽関係の方は秦氏がほとんどということでしたので、この辺りももっとお話を聞きたいところです。
休憩
14:30〜14:50
本編
登場人物
女・別雷神 味方 玄 女 味方 梓 天女 青木 真由人 従者 岡充
室の明神の神職 有松 遼一 従者 原 陸 末社の神 島田 洋海
後見 大江 広祐 青木 道喜 味方 團
大鼓 河村 凛太郎 太鼓 前川 光範 小鼓 吉阪 倫平 笛 杉 信太朗
地謡 谷 弘之助 田茂井 廣道 大江 泰正 浦田 保親 河村 和貴 片山 伸吾
賀茂神社(室明神社)
兵庫県たつの市にある明神の神職が都の本社を訪れ、賀茂社境内の御手洗川で水汲みの女たちに出会います。
神職が祭壇の白羽の矢のいわれを尋ねると、この矢は賀茂社の御神体、御神物であり昔、秦の氏女が川上から流れてきた矢を持ち帰り、軒に挿していたいたところ懐妊し、男子を出産し、男の子が3歳の時人々が集まる中で父を問われ、この矢を指すと矢はたちまち雷となって天へ上り別雷の神になったとのこと。
水を汲み終えた女たちに神職が素性を尋ねると、女たちは賀茂の神であることを明かして消えて行きました。
神々の舞
その後、末社の神が現れ、賀茂明神の縁起を語り舞って消え、次に御祖(みおや)の神が現れ天女の舞を舞います。
最後に別雷の神が現れ、五穀豊穣と国土守護は「王城の鎮守」の神徳によるものと激しく舞って神威を見せ、御祖の神は糺の森へ飛び去り、別雷の神は天上への路を上って虚空へと消えました。
五穀豊穣
能舞台の四方に注連縄が張られていました。これらが揃うことで、豊かな実りがもたらされるということでした。
しめ縄 雲
紙垂(しで) 雷
垂れ下がっている藁 雨
賀茂氏
2024年3月にも賀茂川沿いを散策しましたが、まだまだわからないことだらけです。
しかし、新春にぴったりの力強く、神々しい神々の舞と、笛や鼓などの演奏を堪能できました。
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